もはやトレランにおいては定番となったソフトフラスク。
ただ、まだ一般のハイカーさんや、ロード中心のランナーさん達には馴染みが薄いかも。
山で会ったトレイルランナーさん
が使ってるのは見たことある。
あのフニャフニャしたビニールの
給水ボトルだよね。
でも実際使ったことがある人は、
トレランしてる人以外は案外少ない
みたいですね。
ソフトフラスクをまだ使ったことがない方や、使ってみようかなと思っている方。以下のような疑問を持ったことありませんか?
- どうやって使うのか
- メリットやデメリットは
- お手入れの方法は
- 最適な容量や選び方は
今回はこのような疑問に答える記事です。
この記事を読んでいただければ、「ソフトフラスクの基本的な使い方」を理解していただけます。
そしてソフトフラスク購入の際の失敗も防げますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
ソフトフラスクとは
ソフトフラスクとは上の画像のように「胴体がゴムやビニールなどの柔らかい素材で作られたボトル」のこと。
その性質上、「柔らかく・軽く・コンパクト」なのが特徴です。
トレランの世界ではもはや必需品、使ったことがないというトレイルランナーはいないんじゃないかと思われます。
それだけ皆が使用するということはそれなりのメリットがあるからでしょう。
では具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
デメリットも合わせて解説してみたいと思います。
トレランでソフトフラスクを使うメリット
トレランでソフトフラスクを使うメリットは次の3点
- 水がボトルの中でジャボジャボ音をさせない
- コンパクトで軽い
- 装着時に体にあたっても痛くない
水がボトルの中でジャボジャボ音をさせない
トレランでは、水分を携帯して「走り」ます。
ボトルタイプの場合ほぼザックのチェストポケットに収納しているでしょう。
したがって、途中で飲んで中身が減ってしまった場合、ペットボトルのようなハードタイプだと、走行中に「ジャボジャボ」とボトルの中で水が跳ねてしまいます。
チェストポケットで「ジャボジャボ」音がし続けるのは結構なストレスなんです。それに水が揺れてバランスも悪くなりますしね。
ソフトフラスクの場合、中身が減ってくれば下の画像のように自然に絞られて、中で水が跳ねることがありません。
レース中疲れてきた時などちょっとしたことがストレスとなります。
余計な雑音に悩まされず走れるのもソフトフラスクの利点ですね。
コンパクトで軽い
中身が入っていないソフトフラスクは上の画像のように「コンパクトに折り畳め」ます。
したがってレース前やレース後、仕舞っておく場合ハードボトルのように嵩張りません。
また、重量も軽いので、重量的な負担もほとんどなし。
何かと荷物の増えるトレラン、「コンパクトで軽い」というのは
ありがたい特徴です。
装着時体に当たっても痛くない
水分補給に使うボトルはトレランの場合、ザックのチェストポケットに収納して使用する場合がほとんどです。
なぜならザックをいちいち下ろしたり、ボトルを取り出したりせずダイレクトに水分補給が可能だから。
しかしここ、ちょうど胸の辺りに接触するのでハードボトルだと当たり具合によっては結構いたかったりするんですよね。
ソフトフラスクの場合、素材がビニールで柔らかいので、体に接触しても痛くないです。したがってストレスを感じることなく走ることが可能。
より集中してレースなどに取り組むことができます。
トレランでソフトフラスクを使うデメリット
ソフトフラスクのデメリットはどのような点なのでしょうか。
2点あげて解説します。
- 中身が減ってくると形が保ちづらい
- 軽いので落とした時音があまりしなくて紛失しやすい
- 水漏れすることがある
中身が減ってくると形が保ちづらい
ソフトフラスクは、素材がビニールで柔らかいので、当然中身が減ってくれば形状が変わります。
ザックのポケットの形状にもよりますが、下の画像のように、飲み口のパーツの重みに引っ張られて、「ヘニャ」と垂れ下がる場合も。
軽いので落とした時音があまりしなくて紛失しやすい
ソフトフラスクは素材が柔らかく軽いので落とした時に音がしづらく、気がつかない危険性があります。
特に中身が減ってきて体積が小さくなっているときは「すっぽ抜け」やすいので注意が必要です。
私も購入したばかりのソフトフラスク途中で落としたことに
気がつかず紛失してしまった悲しい経験があります・・(泣)
ソフトフラスクも買うとそれなりの値段。それに環境的にもよくないのでしっかり気を付けて紛失しないようにしましょう。
水漏れすることがある
ソフトフラスクは中身が入っていると「水漏れ」することがあります。
水が入ったまま、他の荷物と一緒にザックにいれて家から持ってきたときなど、中で水漏れしてしまって、他の着替えなどを濡らしてしまった経験はありませんか?
ソフトフラスクは胴体が柔らかいので、荷物などで圧迫されると飲み口などから水漏れしてしまいます。
ですのでなるべく、水分を入れるのは「走る直前」の方が好ましいですね。
ただレース会場の状況やスケジュールによって中身を入れて持ち運ばなければならない場合もあるかと。
ソフトフラスクには飲み口にロック機能が付いているものもあるので、しっかり「飲み口をロック」するのと、荷物の上に乗せて圧迫されない工夫をするなどして水漏れしないよう注意しましょう。
上の画像が飲み口のロック機構の一例。しっかり「ロック」が
かかるようにしておきましょう。
ソフトフラスクの装着・飲み方
実際にどのように使うのか。
みてみましょう。
ソフトフラスクの装着
トレラン用ザックには上の画像のように前面左右にボトルを装着するためのポケットがついています。
トレランでは、いちいちザックを下ろして給水していては時間のロスにつながります。
特にレースではなおさら。
したがって行動しながら即座に給水できるように、ザックはこのような構造になっています。
注意点として、ザックによって前面ポケットの位置が違う場合があります。
ポケットが低い位置についているザックの場合ストロー付きのフラスクで
なければ位置的に飲みずらいので注意してくださいね。
飲み方
ソフトフラスクからの給水は上の画像のようにザックに収納したまま行います。
形状はストロー付きのものなど若干違いはありますが吸い出して飲みます。
そのとき画像のように少し手で「胴体を圧迫」してやるとよりスムーズに吸い出すことができるので、試してください。
慣れるまでは「走りながら飲む」のが難しく感じられるかもしれません。最初は立ち止まって給水でも徐々に慣れてくるので心配はありません。
ソフトフラスクのお手入れ
ソフトフラスクは使用したらその都度手入れしておくと清潔に長持ちします。
ソフトフラスクの洗い方
中身は水しか入れないという人は「水洗いだけ」でもOKです。
スポーツドリンクやジェルを溶かして入れる場合は糖分などが含まれているので、食器用洗剤等を使ってしっかり洗いましょう。
ソフトフラスクは細長い作りになっていてさらに入り口が狭いので
スポンジが入りにくいです。使い古しの歯ブラシを使うと奥まで
掃除できるのでおすすめですよ。
ただよく手入れしていて、湿気の多い時期など、つい乾燥が足らず内側にカビがつく場合があります。
その場合は下の画像のように「キッチンハイター」などの除菌剤を水に薄めたものにつけておくと綺麗にとれます。
ただ、ハイターが残らないように濯ぎはしっかりすぎるほど行ってください。
よく乾かすこと
しっかり洗うことももちろん大切ですが、もっと大事なのは「よく乾かすこと」。
せっかく綺麗に洗っても乾燥が不十分であれば、内側にカビが発生したり、不快な匂いなどが残って
次に使いたいときに使えないなんてことに。
ですので、洗った後はよく乾かしてください。
乾かすときは入り口を下に向けて中の水分が残らないように。よく風が通るようにしてくださいね。
後、真夏の日中はフラスクが痛むので陰干しか夕方になってから干した方がいいでしょう。
ソフトフラスクの選び方
ソフトフラスクの選び方を以下の点から解説します。
- 最適な容量
- 価格帯
- 形状
最適な容量
ソフトフラスクには150ml〜600mlぐらいまでのサイズがありますが、トレランに使用する場合は
「500ml」が最適です。
トレラン用ザックはどれも大体「500ml」のフラスクを前面ポケットにセットできるようになっています。
これが「600ml」になると収納しきれなくなり、重さも増すのでバランスも悪くなります。逆に容量が小さいと携帯できる水分量が減るので、余分にフラスクを持たねばならなくなります。
「500ml」2本持てば「1000ml」、バランスと十分な水分量の確保から考えてトレランに使用するなら「500ml」がおすすめですね。
価格帯
ソフトフラスクの価格はピンキリで、500円程度のものから、7000円ぐらいするものまであります。
ネットなどでは、見た目が変わらないので「安いのでいいんじゃない?」と思ってしまいがちですが、1000円未満の価格のものは、水漏れや破損の可能性が高いのであまりおすすめできません。
翻って一番高いものがいいかと言われれば、性能は確かにいいのですが、オーバースペックでそこまでの機能は・・ということになりがち。
一番おすすめの価格帯としては2000円〜4000円程度のものが良いと思います。
この価格帯には、サロモンやノースフェイスなど有名ブランドのフラスクも数多くラインナップされています。
そしてプロ・アマ含めてトレイルランナーたちがメインで使用しているのもこの価格帯のものが多いですね。
ですので「2000〜3000円の価格帯」の「聞いたことある有名ブランドのフラスク」を選んでもらえれば大きく失敗することはないでしょう。
形状
ソフトフラスクにはキャップにストローがついているものや、同じ容量でも胴体が若干太いものなど、形状に違いがあります。
特にストロー付きかそうでないかはザックのフラスクを装着するポケットの位置で選択してください。
ポケットが比較的下の方についているザックではストロー付きの方が断然使いやすいです。
逆に上の方にポケットがあるザックの場合ストローがついていると顔の高さまできてしまい邪魔になります。
また、若干胴体の太いものは、安定性があるのですが、ザックによっては収納できないものもあるので注意が必要。
フラスクは、一緒に使用する「ザックに合わせて選ぶ」ようにしましょう。
おすすめのソフトフラスク
おすすめのソフトフラスクをいくつか紹介しておきます。
サロモン:ソフトフラスク500ml
定番中の定番とも言えるサロモンのソフトフラスク500ml。
特徴・メリットは
- スマートなフォルムで収納しやすい
- 底が半円形のシリコンになっていて安定しやすい
- 口径が大きく、水の補給や氷も入れやすい
デメリットは
- ゴム臭が比較的強く敏感な人は気になるかも
持っていて損はない安定のアイテムです。
ザ・ノースフェイス:ソフトフラスク500ml
アウトドア界人気ブランド、「ザ・ノースフェイス」のソフトフラスク500ml。
特徴・メリットは
- デザインがカッコイイ
- 底が平らなので自立しやすく補給の際に楽
- ノースフェイスのザックと相性が良い
デメリットは
- 形状が横長なので相性の悪いザックがある
- ゴム臭があり敏感な人は気になるかも
スタイリングもカッコよく使ってみたくなるフラスクですね。
ネイサン:ソフトフラスク414ml
ネイサンのソフトフラスク。
特徴・メリットは
- スパインと呼ばれるプレートが内蔵されていて中身が減っても形状を保ってくれる
- 水を入れて冷凍可能
冷凍できるのは、夏の盛には嬉しいメリットですね。凍らせて
持っていけば、冷たい水がしばらく飲めます。
デメリットは
- 414mlと容量が少々中途半端
- 532mlのタイプもあるが大きいのでトレランザックに装着しづらい
スパイン入りは好みが分かれますが、使いやすいフラスク。選んで損はないでしょう。
ハイドラパック:ソフトフラスク500ml
「手で持つハイドレーション」というキャッチフレーズのフラスク。
その名の通り特徴は
- 調整可能なハンドストラップ付きで手に最適フィット
- 軽く疲れにくい
ザックを背負わない普段のジョグにも
使えますね。
デメリットは
- ザックに装着する場合底と肩が硬いので少々嵩張る(ザックによっては装着できない)
サロモン:ソフトフラスクXAフィルター
定番のソフトフラスクにコンパクトな浄水器が付いたモデル。
特徴・メリットは
- 高性能フィルターで水中のバクテリアや原虫など99.9%除去できる
- 現地で水を確保可能なので水切れの心配が緩和される
- 高性能だけど軽く使いやすい
夏場のトレイル、特にエイドなどない普段のトレーニングは山中での水切れ
が悩みの種ですよね。沢筋に水はたらふくあるけど生水はちょっと心配・・。
XAフィルターがあれば豊富な沢水が全て補給可能な水源に変わります。
これで夏場も全力疾走できますよ〜(笑)
デメリットは
- 少々お値段が高め
アスフォーム:ソフトフラスク150ml
150mlと手のひらに収まるコンパクトなソフトフラスク。
特徴・メリットは
- 多くの水分を必要としない軽いジョグの時など便利
- ジェルなどの補給食を入れるパックとしても使える
補給用のジェルを入れ替えておけばジェルの袋ゴミに悩まされずに済みますね。
あと近所を軽くジョグする時、ボトルだとザックやベルト準備するの何気に億劫じゃないですか?このフラスクならサッともってすぐ出かけられて便利です。
デメリットは
レースや長距離トレーニングでは、水分補給の主力にはならない
何かと応用が効くサイズなので持っておいて損はないですね。
まとめ
トレランではほぼ必須のアイテムといえるソフトフラスク。
私も使ったことがない時は「ペットボトルでいいんじゃない」と思っていました(笑)
でも実際使ってみると手放せないアイテム。これなしではもう走れません。
この記事を読んであなたの山ライフ・ランニングライフにソフトフラスクを加えてもらえれば幸いです。
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